あん摩マッサージ指圧師は医療系の国家資格です。
意外と知られていませんが、実は「マッサージ」を施術できるのは、「あん摩マッサージ指圧師」だけと法律で定められています(「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」通称あはき法)。
しかし、残念なことに「あん摩マッサージ指圧」を「エステ」「セラピー」「整体」と同一視している方がとても多くいます。
エステティシャン、セラピスト、整体師の国家資格はありません(2024年1月現在)。
したがって、エステティシャン、セラピスト、整体師として活躍している人の中には、我流でちょっと練習しただけで即デビューしてしまう人も多くいるというのが現状です。
対して、あん摩マッサージ指圧師になるためには、次の1から4のプロセスを経なければなりません。
1.高校卒業後、文部科学大臣または厚生労働大臣指定のあん摩マッサージ指圧師の養成施設(大学・専門学校)に入学する
2.養成施設で3年以上学び、養成施設を卒業することで国家試験の受験資格が得られる
3.国家試験に合格する(合格点は170点満点の6割以上)
4.免許の申請後、厚生労働大臣から免許証が交付される
つまり、「あん摩マッサージ指圧師」は、厚生労働大臣のお墨付きを得て施術することが許されている施術者ということになります。
どうすれば国家資格を取れるのか?
次に、「どうすればあん摩マッサージ指圧師になれるのか?」「どのような国家資格なのか?」について説明します。
あん摩マッサージ指圧師になるには、専門学校などの養成施設に3年間通い、専門科目と臨床実習あわせて2,385時間以上の授業を受け、知識と技術をみっちり学ばなければなりません。
さらに国家試験(筆記試験)に合格した者だけに与えられるのが「あん摩マッサージ指圧師」の資格です。
そのため、エステティシャン、セラピスト、整体師とは、「知識量」と「技術の習得にかけた時間」が圧倒的に違います。
エステ、セラピスト、整体で提供されるサービスと一見やっていることは同じように思われがちですが、その根底にある理論や基礎的な医学の知識の理解度には大きな違いがあります。
これはとても大事なことなのですが、効果を期待できる施術とは、それだけ十分な刺激をお身体に与える必要があるということであり、それは加減を間違えれば害にもなるということでもあります。
国が認可しているあん摩マッサージ指圧師の養成施設(大学・専門学校)で3年間これらの技術と医学概論をはじめ12の専門科目(注1)を学び、さらに年に1回実施される国家試験(例年12月に実施される筆記試験)に合格することで得られるのが「あん摩マッサージ指圧師」の資格です。
(注1)12の専門科目:➀医学概論、②臨床医学総論、③衛生学・公衆衛生学、④関係法規、⑤解剖学、⑥生理学、⑦病理学概論、⑧臨床医学各論、⑨リハビリテーション医学、⑩あん摩マッサージ指圧理論、⑪東洋医学概論・経路経穴概論、⑫東洋医学臨床論
つまり、「あん摩マッサージ指圧師」の資格所有師は、厚生労働大臣のお墨付きを得て施術することが許されている施術者というわけです。
確かな知識と技術を持った施術
正しい医学的知識なしに、効果を期待できるような刺激を「適度に」、そして「安全に」施術することはできるでしょうか?
皆様の大切なお身体に触れるお仕事だからこそ、確かな知識と技術を持って施術にあたる。この当たり前のことを提供しようとすれば、正規に学び、資格を持ったうえでお客様と接することは当然のことなのです。
したがって、当院に限らず、施術を受ける際には、まず「国家資格」の有無を確認することをお勧めします。
あん摩、マッサージ、指圧の違い
あん摩、マッサージ、指圧。この3つにもそれぞれ違いがあります。
簡単に言うと、古来中国から日本に伝わった「あん摩」、西洋医学を元にした「マッサージ」、日本独自の「指圧」に区分され、手技、アプローチする部位、圧の深さなど、それぞれ違うところがあります。あん摩、マッサージ、指圧の違いについては、とても奥が深いので、これから随時ブログにUPしていきますので、当院(たまゆら訪問治療院)のブログ「あかり先生のたまゆらHOME“温”治療院日誌」もご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございます。「あん摩マッサージ指圧師」についてご説明させていただきました。
大事な身体のケア、メンテナンスは、確かな知識と技術を持った「あん摩マッサージ指圧師」の施術にお任せください。